アナウンサーは局の顔ともいえる重要なポジション。その仕事もニュース、報道番組のキャスター、バラエティー番組の司会と、多方面にわたります。正しい言葉遣いや聞き取りやすい抑揚の付け方以外にも、さまざまなスキルが求められるアナウンサー。

どうしたらアナウンサーになることができるのでしょうか?

まずはテレビ局/ラジオ局に就職する

アナウンサーは、会社員です。

フリーランスのアナウンサーももちろんいますが、フリーランスに転向するにはまずはテレビ局かラジオ局に就職して、アナウンサー業の基本を身に付ける必要があります。

アナウンサーは会社員と冒頭で述べましたが、同時に専門職ですから、例えばテレビ局の経理課に就職したとして、そこから人事異動でアナウンサーになるということはありません。

アナウンサーとしてテレビ局に就職するには、アナウンサーとして試験を受ける必要があります。その採用試験も他の職種とは少し異なりますので、簡単に流れをご説明しましょう。

  1. エントリーシート

    これは多くの会社で採りいれている書類選考の方法です。
    アナウンサーは合格者が千人に一人とか二人とか言われている超人気職業ですから、ここでかなりの人数が落とされます。
    エントリーシートを適当に書いては絶対にいけません。

  2. 一次試験

  3. 二次試験

  4. 三次試験

    これら試験に関しては、集団面接や個人面接、筆記テストなどです。
    どのタイミングで行われるかは局によります。

  5. カメラテスト

    カメラの前で自己PRをしたり、渡された原稿を呼んだりします。
    実際にスタジオに呼んだゲストにインタビューをするといった内容が組み込まれる場合もあるようです。

  6. 最終面接

    役員との面接です。

アナウンサーの採用試験には他に「講習会」というものがある場合があります。現役のアナウンサーに指導してもらう実地研修のようなものですが、試験の一部です。

この講習会にたどり着くまでの道のりが遠く、まずはここを目標とする人もいるくらい。

「この人は」と思われた人しか参加することができませんので、なるべくリラックスして自分らしさが出せるようにしましょう。
現役アナウンサーの体験などで、カメラテストで固まってしまって一言もしゃべれなくても通過することができたり、原稿読みの練習を全然していなくてもそれをカバーする強烈な個性で合格したり、という話をよく耳にします。

技術は入社した後に研修でみっちり仕込まれるそうですから、技術以上に光るものがあれば試験をパスすることができるのかもしれません。

特に、カメラの前で気後れすることなく自分の良さをアピールできる、技術がなくても自信を持って喋ることができるというスキルは、天性である部分はたしかにあります。

しかし、これはごく一部の人の話。

ふつう人は努力してきたことに対して自信を持つものですから、アナウンサーになりたいという明確な目標があるのであれば、そのためのスキルを磨くべきです。そうすれば、自信を持って試験に挑むことができるでしょう。

アナウンサーになるために今日からできること

ミスコンへの挑戦

特に女性アナウンサーは容姿端麗であることが求められます。ミスコンなどは登竜門的な位置づけなので、技術の前に挑戦し箔を付けておくことが重要です。

発声練習

腹式呼吸でお腹から声を出す、聞き取りやすいようにはっきりとしゃべる、アクセントやプロミネンスを意識して文章を読み上げる……

これらは毎日コツコツ練習することで身に付いていきます。

発声練習とはすなわちボイストレーニングのことですが、ボイストレーニングはアナウンサー、俳優、声優、歌手など、声を用いて仕事をする人たち、もっと言えば声をお客さんに届ける人たちは、かならずしています。

プロになってもずっと行うトレーニングであり、現役で活躍するためには欠かせないスキルです。

一朝一夕で身に付くものではありませんから、試験で発声練習の成果が出せれば高評価は間違いないと思います。研修を受けたからといって急にうまくなるものではないので、身に付いていればかならず今後の自分の助けになります。

滑舌練習

滑舌練習はボイストレーニングの一部ですが、別個に挙げたのは特に練習しておきたいところだからです。

滑舌が悪いと、いくらお腹から声を出していても言葉が相手に伝わりません。相手の耳にすんなり言葉が入って行くように、明確な発音をすることはとても大切。

滑舌練習の代表的なものは、早口言葉です。

まずは「なまむぎなまごめなまたまご」「とうきょうとっきょきょかきょく」のような短い文章から始めましょう。ここで注意したいのは、ただ単に早く言えればいいわけではないということ。リズミカルにスピードに乗せて、聞いている人に意味がわかるように意識して発音しましょう。

短い文章に慣れたら、外郎売のような長い文章にチャレンジ。

長い文章ですとアクセントはもちろん、プロミネンスといった文章の中で強調する部分にも意識を向けなければならないので難易度が上がります。

勉強

アナウンサー学校に通えば効率よくアナウンサーになるための訓練が受けられますが、そのぶん学費がかかります。

アナウンサーを多く輩出している難関大学などは、アナウンス系のサークルがあり、卒業生の現役アナウンサーが来てくれることもあるそう。

難関大学を卒業していれば、書類選考でも有利です。

アナウンサーには教養も大切ですから、いわゆる「勉強」は、しておいて損は絶対ありません。

まとめ

アナウンサーは狭き門。

毎日しっかりと勉強、練習し、まずは自分に自信をつけて試験に挑んでくださいね。